続きです。
アメリカとヨーロッパに見られるレベルの高いボディーワークについてを紹介しました。アメリカでは車が生まれた時から、それに魅了された人が多く、利用したり、仕事に用いたり、楽しんだりしてきました。
中でも強く魅了された人達は、車の性能や見栄えを良くするためにモディファイを行いました。1940年代初頭に生まれた言葉、HOT RODの確たる定義になります。加えて、HOT ROD Magazineでは、長く乗り続ける事が出来るようにともあります。
ヨーロッパでは19世紀末にドイツが自動車を生み出して以降、自動車の性能を良くする事にかけては、一歩進んだ環境でした。
これはEMPIの社名や取り扱っていた製品の中に、ヨーロッパのOEMが多くあることからも伺い知れます。
そんなヨーロッパのボディーワークに対する価値観は、アメリカのカルチャーとは異なり、職人によって手作りされたプロトタイプやコーチビルドならではの仕上がり、そこから確立してるのでないかと考えています。
イギリスは古いものに対して高い価値観を見出し、以降この価値観が欧州にも広がったと思われます。そのため、欧州でのオリジナルとは、物が世に送り出された時の状態を基準にしています。近年ではその希少性からSurvivorと表されたりもしています。
このような車輛をベースに仕上げるとなると、ファクトリーからラインオフされた状態を意識した仕上がりを求めるのかと思いきや、一部のドイツとイギリス人は、それ以上に仕上げてきます。この理由を欧州の何人かの方に聞いてみたところ、イギリスは車やバイクに関して特別に強い文化が古くからあるとの事。また、ドイツもそれに同じく特別な価値観があるのだと言われました。ここに、加えてリッチだからではないか?と聞いてみると、それはあるかもしれないが、決してそれだけではないとの事でした。
このヨーロッパの価値観と同様に生み出された日本車がトヨタのセンチュリーです。セルシオやレクサスと見比べても、それ以上のボディーワークが施されるのだと分かります。
そのセンチュリーは、究極の手作りと題して、ものづくりの価値という、大量生産とは違った視点での物づくりを伝承する重要性があるとしています。
生産コストを抑えだけではなく、「必要な所にはお金を掛けています」とはっきり言っています。
それは精度を出すところにお金を掛けているのですが、大量生産なら精密なロボットを導入するところを、職人が熟練する中で精度を高めるところにお金を掛けています。その内容は溶接にプレスした鋼板の面仕上げです。
その作業内容が少し紹介されていますが、プレスした鋼板の表面に薄く油を塗って、蛍光灯の映り込みを頼りに職人が自作の小型ハンマーで、素人目には見抜けない程の歪みを叩き整えているそうです。
日本では、中古車仕上げ、事故鈑金、コストのウエイトが非常に大きく、欧米のように、本質を求め続けて来た環境とは、大きく異なるため、このような提案に対して、受け入れがたい部分もあるかもしれません。
ただし、浸透すればインターネット同様、オンラインです!
(やっぱり例えるのが苦手♪)
オンラインとは何かが気になる方はご相談下さい。