2013-09-19 23:48:41
Wolfgang Denzel
オーストリア随一のコーチビルダーWolfgang Denzel氏が製作したパイプフレームシャーシの上にアルミボディー、VWのパワートレインを生かして製作された車輛がデンゼルです。
Hessischの会場に来ていたこちらの一台はフロントの窓が分割されたもの。
なんとなくの法則ですが大抵のモデルの初期モデルは分割式が多いです、それとデンゼルではあまり見慣れないセマフォーが装着されてるあたりから、こちらの一台は本当に初期の一台と思われます。
合計で300台程生産されたとされており、今日では50台あるかないかとされてる希少車です。
Denzel氏は学生時代にオートバイ作りに取り組み、オリジナルのバイクを製作したりして育ったようです。1930年代中頃からはレースに参戦し勝利しています。この時からBMWと密接な関係が築かれているようです。
のちにVW Type3みたいなBMW700の設計に携わります。
第二次世界大戦中には車やエンジンの補修に携わり、初めて4気筒の水平対向エンジンに触れたそうです。
それらの経験を生かしオーストリアの首都ウィーンにWD Equipmentを設立し、VWをベースに開発を進め、1952年から1959年までの間に生産されました。初期のモデルはスチール製のボディーでしたが、1950年代半ばにはアルミボディーに切り替わります。
2輪車同様に4輪になってもレースに参戦し、1954年にはレースでポルシェに勝利しデンゼルは数々の賞を獲得し有名になるも最終的にはポルシェに対抗出来ないという結論に..
当時DenzelはOettinger以上の設計デザインとして有名だった天才とされていたようです。実際に過去のエンジンデータを見てもDenzelは興味深い数字ではないでしょうか。
デンゼルエンジンの変換キットは3つありました。
Super series1281cc 52HP stock cam
Super 1290cc 64HP stock cam
International 1500cc 80HP stock cam
日本では目にすることないモデルですから、気にする事もないわけで、これがなんだかも、どんなんだかも分からないのですが、前回はBBTのBobさんがコンボイで運転してエントリーしていたりとしてる姿等から知る機会を得ていくと、うぉ〜デンゼルだ〜♪に変わっていきます。
そのリアクションに何?何?となる人が少しずつデンゼルの事を知るようになります。
そうなってくるとデンゼルのエンジンが特別なものと知ります。
ポルシェよりも高価だったとされるコーチビルドカー。
特に2シーターのコーチビルドカーの多くはストックのVWエンジンの設定があったにも関わらず、OKRASAやPORSCHE等の高価なエンジンが多く搭載され販売される程ビンテージスピードがマッチします。
そんな極みの一台が2011年以降、日本でも見れる時代になりました。FLAT4が製作した'49のHebmullerです。その意図が見えてくるとアメリカでVW Classic史上初の5冠達成に至るだけのパッションを感じてなりません。
また、今回のヨーロッパで知り合ったアメリカのTomさんも確か数あるうちの一台、オーバルのコンバチだったかな、デンゼルのエンジンを搭載するんだと、現在進行中のプロジェクトを教えてくれました。
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